イルベサルタンの先発品情報
有効成分一般名:イルベサルタン
効能・効果
高血圧症
剤形・規格
アバプロ®錠50mg(2008年6月薬価収載)
アバプロ®錠100mg(2008年6月薬価収載)
アバプロ®錠200mg(2013年5月薬価収載)
イルベタン®錠50m(2008年6月薬価収載)
イルベタン®錠100mg(2008年6月薬価収載)
イルベタン®錠200mg(2013年5月薬価収載)
製造販売元
塩野義製薬(提携 SANOFI)/大日本住友製薬(提携 SANOFI)
イルベサルタンの基本特許
イルベサルタンの基本特許は以下の通り。イルベサルタン単剤の再審査期間が2016年4月15日に終了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。
AGとジェネリック医薬品が同時になった理由は?
今回、イルベサルタンのオーソライズド・ジェネリック(AG)(DSファーマバイオメディカル株式会社/DSファーマプロモ株式会社)とAG以外のジェネリック医薬品が同時に承認されています。たとえAGであったとしても再審査期間終了後でないとジェネリック医薬品として製造販売承認申請できないため、イルベサルタンAGは他のジェネリックメーカーと同じタイミングで承認されました。
イルベサルタン/アムロジピン配合剤のジェネリックはいつ承認されるのか?
イルベサルタン/アムロジピン配合錠(先発名:アイミクス®配合錠)は、再審査期間が2016年9月27日に終了したため、ジェネリック医薬品は2017年2月申請~2018年2月承認と見込まれます。イルベサルタン/トリクロルメチアジド配合剤のジェネリックはいつ承認されるのか?
イルベサルタン/トリクロルメチアジド(先発名:イルトラ®配合錠)は、再審査期間が2019年6月27日まであり、かつイルベサルタンとトリクロルメチアジドの組合せに関する配合特許(特許4974255)が2032年5月16日まで存続するため、この配合特許が無効にならない限り、2032年8月までジェネリック医薬品が承認されないと見込まれます。
但し、カンデサルタン/アムロジピン配合錠(ブランド名:ユニシア配合錠)、カンデサルタン/ヒドロクロロチアジド配合錠(ブランド名:エカード配合錠)やオルメサルタン/アゼルニジピン配合錠(ブランド名:レザルタス配合錠)のように、製品を保護する配合特許にジェネリック医薬品メーカーが無効審判を請求するケースもあります。配合特許(特許4974255)が無効審判により無効化された場合、最速で再審査終了後の2019年8月申請~2020年8月承認というケースも想定されます。
各社の競合関係
現在公開されている情報に基づき、承認された11社の競合関係を分析した結果は以下の通りでした。
第一三共エスファは、現時点で製品情報が公開されていなかったため、競合関係を分析することはできませんでした。しかし、第一三共エスファは他社との共同開発・導入の傾向が強いことから、いずれかのグループに属すると推測されます(※製品情報の公開後、更新予定)。
イルベサルタンの物質特許の特許権者がSANOFIであるため、日医工がAGではないジェネリック医薬品の承認を取得したことは予想外でした。また、アメリカでイルベサルタンを展開している武田テバ、サンド、マイラン製薬(ファイザー)、ルピン(共和薬品)が承認を取得していない理由も気になります。
次回は、~イルベサルタン 後編~として「イルベサルタンの参入企業は多い?少ない?」について分析します。
共創未来ファーマのイルベサルタン錠の情報が公開されたため、各社の競合関係を更新ししました。共創未来ファーマは、大原薬品工業・日本ケミファと同じグループに属すると考えられます。
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