テモゾロミドの先発品情報
有効成分一般名:テモゾロミド
効能・効果
悪性神経膠腫
剤形・規格
テモダール®カプセル20mg(2006年9月薬価収載)
テモダール®カプセル100(2006年9月薬価収載)
製造販売元
MSD
テモゾロミドの基本特許
テモゾロミドの基本特許は以下の通り。
テモゾロミドの物質特許(特許1723491)は既に満了しでおり、再審査期間が2016年7月15日に終了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。
日本化薬のテモゾロミドはオーソライズド・ジェネリック?
今回、承認されたのは日本化薬のテモゾロミド錠20mg・100mg「NK」のみでした。しかし、以下の理由から、テモゾロミド錠20mg・100mg「NK」はテモダール®カプセル20mg・100mgのオーソライズド・ジェネリック(AG)に該当しないと考えられます。
1.製剤設計
テモダール®カプセル20mg・100mgがカプセル剤であるのに対し、テモゾロミド錠20mg・100mg「NK」は錠剤であり、剤形が異なります。もちろん配合ざれている添加剤も異なります。2.生物学的同等性試験(BE試験)
AGの場合、先発品のデータを活用し、BE試験を行わないケースが多いですが、テモゾロミド錠20mg・100mg「NK」の添付文書を確認したところ、カプセル剤を標準製剤としてBE試験が行われていました。3.日本化薬の発表
日本化薬の発表によれば、通常のジェネリックのようです。
承認されたのが日本化薬1社だった要因として、以下のものが考えられます。
承認条件として、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間、全症例を対象に使用成績調査を実施することが求められています。
薬理活性の高い化合物の製造所は、封じ込めや洗浄等、通常よりも特殊な設備が必要。
Webで検索してみましたが、テモダール®カプセルの細かい金額は分かりませんでした。ただ、100億円を超える製品ではないようです。上記のようなハードルがある割に売上が小さいと思われます。
次回はトラセミドについて分析します。
なぜ日本化薬1社なのか?
承認されたのが日本化薬1社だった要因として、以下のものが考えられます。
1.BE試験のハードル
通常、BE試験は健康成人男性で行われますが、抗がん剤のように副作用の恐れがある薬ではそうはいきません。テモゾロミドでは、悪性神経膠腫患者でBE試験が行われています。
2.承認条件のハードル
承認条件として、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間、全症例を対象に使用成績調査を実施することが求められています。
3.製造所のハードル
薬理活性の高い化合物の製造所は、封じ込めや洗浄等、通常よりも特殊な設備が必要。
4.売上
Webで検索してみましたが、テモダール®カプセルの細かい金額は分かりませんでした。ただ、100億円を超える製品ではないようです。上記のようなハードルがある割に売上が小さいと思われます。
次回はトラセミドについて分析します。
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