ロスバスタチンの製品情報
有効成分
一般名:ロスバスタチンカルシウム
効能・効果
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
剤形・規格
クレストール錠2.5mg(2005年3月薬価収載)
クレストール錠5mg(2005年3月薬価収載)
クレストールOD錠2.5mg(2016年6月薬価収載)
クレストールOD錠5mg(2016年6月薬価収載)
製造販売元
アストラゼネカ株式会社(発売 塩野義製薬株式会社)
ロスバスタチンの基本特許
ロスバスタチンの基本特許は以下の通り。
オーソライズド・ジェネリック(AG)である第一三共エスファのロスバスタチン錠2.5mg・5mg「DSEP」は、特許権者から許諾を得ていますので、AG以外のジェネリックよりも半期早い2016年2月申請~2017年2月承認となっています。
一方、AG以外のジェネリックは、ロスバスタチンの物質特許が2017年5月に満了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となっています。
また、「家族性高コレステロール血症」の効能・効果を保護する用途特許(特許5062940)があるため、AG以外のジェネリックの効能・効果は、「高コレステロール血症」のみとなっています。
各社の提携関係
現在公開されている情報に基づき、承認された26社の提携関係を普通錠とOD錠に分けて分析してみました。
普通錠
OD錠
Meiji Seikaファルマと武田テバファーマについては、現時点で製品情報が公開されていなかったため、競合関係を分析することはできませんでした(※製品情報の公開後、更新予定)。
26社中17社がOD錠の承認を、9社が普通錠のみ承認を取得しました。
普通錠のみだった9社は、サンド、武田テバファーマ、武田テバ薬品、ファイザー(マイラン)、日新製薬、キョーリンリメディオ、ニプロ、日本薬品工業、富士フイルムファーマで、外資系最大手のサンド・テバ・マイランの3社が揃ってOD錠の承認を取得していません。先発品のクレストールOD錠は日本特有の製品です。外資系メーカーは日本特有の製剤開発は不得手であることがうかがえます。また、17社のOD錠は、共同開発関係にある会社が多く、10社が共同開発を行っているというのが特徴的です。
OD錠の共同開発の開発元はどこ?
OD錠の共同開発は、三和化学・ダイト・陽進堂・辰巳化学・共和薬品工業・日医工・日本ジェネリック・日本ケミファのグループ(グループ1)と大原薬品工業・共創未来ファーマのグループ(グループ2)があるようです。これら二つの共同開発グループのうち、実際の開発元を分析してみたいと思います。
特許出願
グループ1とグループ2の会社のロスバスタチンに関連すると考えられる出願を検索したところ、11件の出願がヒットしてきました(検索式: [発明の名称+要約+クレーム=ロスバスタチン] X [出願人=三和化学+陽進堂+ダイト+辰巳化学+日医工+日本ケミファ+日本ジェネリック+大原薬品+共創未来])。
各出願の実施例とグループ1とグループ2のロスバスタチンOD錠で使用されている添加剤を比較したところ、グループ1はダイトの特願2015-99071の実施例1と、グループ2は大原薬品工業の特願2016-160252の実施例1と極めて高い相同性が確認できました。
この結果から、グループ1の開発元はダイト、グループ2の開発元は大原薬品工業と推測されます。
次回は、~ロスバスタチン 後編~として、「家族性高コレステロール血症」にフォーカスしてみたいと思います。
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