2017年12月18日月曜日

2017年12月 薬価基準追補収載 ~概要~

 12月7日に後発医薬品等の薬価基準追補収載が官報告示され、12月8日に薬価基準収載がされました(官報はhttp://kanpou.npb.go.jp/から確認できます)。
 そこで、12月8日に薬価基準収載がされたジェネリック医薬品の動向を、概要/各論:成分編/各論:会社編に分けて分析していきたいと思います。



収載会社数が多かった成分Top 5


 薬価収載した会社数が多かった成分Top 5は、ロスバスタチンカルシウム、オルメサルタンメドキソミル、イルベサルタン、ファムシクロビル、アダパレンでした。


成分名収載会社数収載品目数
1ロスバスタチンカルシウム2379
2オルメサルタン メドキソミル1779
3イルベサルタン1033
4ファムシクロビル1012
5アダパレン78
 
 薬価収載を見送った会社も複数ありましたが、2017年9月に第一三共エスファからオーソライズド・ジェネリック(AG)が発売されたロスバスタチンとオルメサルタンのジェネリックに参入した会社が多かったです。また、イルベサルタンは、過去のARBの中で参入会社数がもっとも少ないという結果でした。

初収載成分


 この12月の薬価収載で初めてジェネリックが収載された成分は、次の8成分でした。


成分名収載会社数収載品目数
1イルベサルタン1033
2ファムシクロビル1012
3アダパレン78
4ロピニロール塩酸塩(CR)24
5シタフロキサシン水和物11
6テモゾロミド12
7トラセミド12
8ベポタスチンベシル酸塩14
 
 イルベサルタンでは、通常のジェネリックと同時にAGが薬価収載され、ベポタスチンでは、通常のジェネリックに先行してAGが薬価収載されました。一方、シタフロキサシンでは、第一三共エスファがAG(シタフロキサシン錠50mg「DSEP」/シタフロキサシン細粒10%「DSEP」)の承認を取得していましたが、AGの薬価収載はされませんでした。




会社別薬価収載成分数・品目数


 今回、2成分以上を薬価収載した会社は、次の22社でした。

会社名成分数品目数分類
1東和薬品株式会社822専業大手
2沢井製薬株式会社716専業大手
3ニプロ株式会社 + ニプロESファーマ株式会社620専業その他
4共創未来ファーマ株式会社511卸系
5日医工株式会社516専業大手
6日本ジェネリック株式会社512卸系
7小林化工株式会社417専業その他
8エルメッドエーザイ株式会社311新薬系
9株式会社陽進堂39専業その他
10大原薬品工業株式会社311専業その他
11辰巳化学株式会社39専業その他
12日新製薬株式会社37専業その他
13日本ケミファ株式会社311新薬系
14日本薬品工業株式会社38新薬系
15ファイザー株式会社 + マイラン製薬株式会社37外資系
16キョーリンリメディオ株式会社26専業その他
17ダイト株式会社25専業その他
19共和薬品工業株式会社28外資系
20高田製薬株式会社26専業その他
21第一三共エスファ株式会社24新薬系
22武田テバ薬品株式会社 + 武田テバファーマ株式会社24外資系

 
 専業大手3社(東和薬品・沢井製薬・日医工)は、手堅く製品を取り揃えてきた印象です。ニプロESファーマが加わったニプロや新たに登場した卸系の共創未来ファーマが存在感を増している一方、外資大手3社(テバ・サンド・マイラン)の存在感はいまいちです。




8月15日に承認されたAG


 2017年8月には、通常のジェネリックに先行して、4つのAG(キョーリンリメディオのモメタゾン点鼻液、参天アイケアのドルモロール配合点眼液(ドルゾラミド/チモロール配合点眼液)、サンドのトラボプロスト点眼液とエカレボ配合錠(レボドパ/カルビドパ/エンタカポン)が承認されましたが、結局、いずれも12月に薬価収載されることはありませんでした。
 2018年4月に受けるの薬価引下げを考慮し、AG以外のジェネリックに先行して12月に薬価収載するよりも、仮にAG以外のジェネリックと同時に薬価収載することになったとしても、2018年6月以降に薬価収載した方が得策という判断がされたのだと思われます。
 ジェネリック対策には、適応拡大、用法・用量の追加、剤形・規格追加、特許出願などがありますが、オーソライズド・ジェネリック(AG)は、ジェネリック対策の究極の答えなのではないでしょうか。



 次回は、12月8日に薬価基準収載がされたジェネリック医薬品の動向を、ジェネリックが初めて収載された成分に注目して分析していきたいと思います。

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