初収載のジェネリック
イルベサルタン
今回、10社・33品目のイルベサルタンのジェネリックが薬価収載されました。今年の8月に11社・36品目が承認されていましたが、第一三共エスファが12月の薬価収載を見送り、競合関係は以下のような状況です。
第一三共エスファは、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタンのジェネリックに加え、テルミサルタンとオルメサルタンのオーソライズド・ジェネリックを販売しています。イルベサルタンが加われば、ARBをほぼ取り揃えることになりましたが、そこまではしなかったようです。
イルベサルタンでは、以下の点が特徴的です。
- 東和薬品だけがOD錠を収載したこと
- 過去のARBと比較し、収載されたジェネリックの数が少ないこと
- 外資系大手3社(テバ・サンド・マイラン)がどこも収載していないこと
ファムシクロビル
今回、10社・12品目のファムシクロビルのジェネリックが薬価収載されました。今年の8月に承認を取得した会社で薬価収載を見送った会社はなく、競合関係は以下のような状況です。
ファムシクロビルでは、以下の点が特徴的です。
- 単独での開発が10社中3社しかないこと
- 第一三共エスファ/小林化工が先発品にない規格の500mg錠を発売したこと
- 「単純疱疹」の効能・効果 / 用法・用量の追加が承認され、12月の薬価収載までに先発品と効能・効果 / 用法・用量との差異が解消されたこと
アダパレン
今回、7社・8品目のアダパレンのジェネリックが薬価収載されました。今年の8月に8社・9品目が承認されていましたが、ポーラファルマが12月の薬価収載を見送り、競合関係は以下のような状況です。
アダパレンでは、以下の点が特徴的です。
- ニプロ以外は全て同じ共同開発グループであること
- ニプロがゲルに加えて、先発にないクリーム剤を発売したこと
ロピニロール塩酸塩(徐放錠)
今回、東和薬品のロピニロール徐放錠2mg/4mg「トーワ」と共創未来ファーマのロピニロール徐放錠2mg/4mg「共創未来」の2社・4品目が薬価収載されました。
ロピニロールの基本特許は以下の通りです。
用途特許は既に満了しているため、再審査期間(2016/6/28)の終了後の2016年8月申請、2017年8月承認・12月収載のサイクルとなったと考えられます。
公開されている情報に基づき、競合関係を分析したところ、東和薬品のロピニロール徐放錠2mg/4mg「トーワ」と共創未来ファーマのロピニロール徐放錠2mg/4mg「共創未来」は共同開発と考えられます。
ロピニロール(徐放錠)では、以下の点が特徴的です。
- 実質的に、一つのジェネリックだけが参入したこと
シタフロキサシン水和物
今回、沢井製薬のシタフロキサシン錠50mg「サワイ」が薬価収載されました。
シタフロキサシンの基本特許は以下の通りです。
シタフロキサシンの基本特許は以下の通りです。
物質特許と用途特許は既に満了しているため、再審査期間(2016/1/24)の終了後の2016年2月申請、2017年2月承認のサイクルで第一三共エスファがAG(シタフロキサシン錠50mg「DSEP」/シタフロキサシン細粒10%「DSEP」)の承認を取得していました。
沢井製薬はAGから半サイクル遅れの2016年8月申請、2017年8月承認・12月薬価収載のサイクルとなりました。
シタフロキサシンでは、以下の点が特徴的です。
- 第一三共エスファが2017年6月に続き、12月にもAGの薬価収載しなかったこと
- 沢井製薬のみが参入したことが
テモゾロミド
今回、日本化薬のテモゾロミド錠20mg / 100mg「NK」が薬価収載されました。
日本化薬のみが参入したことが特徴的です。
トラセミド
今回、寿製薬のトラセミド錠4mg / 8mg「KO」が薬価収載されました。
寿製薬のみが参入したことが特徴的です。
ベポタスチン
今回、ニプロESファーマのベポタスチンベシル酸塩錠5mg / 10mg「タナベ」とベポタスチンベシル酸塩OD錠5mg / 10mg「タナベ」が薬価収載されました。
ベポタスチン、ベポタスチン~続報~、ベポタスチン~続報2~で分析しましたが、“円満解決”の結果、田辺製薬販売がニプロへ売却されたことで誕生したニプロESファーマから、通常のジェネリックに先行してAGが発売されることになったと思われます。
次回は、12月8日に薬価基準収載がされたジェネリック医薬品の動向を、オーソライズド・ジェネリック(AG)後追い収載成分に注目して分析していきたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿