これにより、ベポタスチン~続報~で挙げた注目ポイントの内容が分かってきました。
注目ポイント
- 東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬のベポタスチンのジェネリックは12月に薬価収載されるのか?
→ 東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬は、ベポタスチンのジェネリックの12月の薬価収載を見送りました。 - ジェネリックが12月に薬価集された場合、いつ発売されるのか?
→ 東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬は、ベポタスチンのジェネリックの12月の薬価収載を見送ったため、早くとも2018年6月以降の発売となります。 - 田辺製薬販売が承認を取得したオーソライズド・ジェネリック(AG)は12月に薬価収載されるのか?→ オーソライズド・ジェネリック(AG)(ベポタスチンベシル酸塩錠5mg・10mg「タナベ」/ベポタスチンベシル酸塩OD錠5mg・10mg「タナベ」)が、12月に薬価収載されました。
- AGが12月に薬価集された場合、いつ発売されるのか?
→ ニプロESファーマのHPによるとAGは3月発売予定だそうです。 - 田辺製薬販売はニプロへ売却され、ニプロESファーマとなったので、AGはどこから発売されるのか?
→ ニプロESファーマのHPから発売されます。
“円満解決”の内容
12月の薬価基準追補収載から、田辺三菱製薬のプレスリリースの“円満解決”の内容が少しだけ明らかになりました。“円満解決”には次の合意があったと推測されます。
- 東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬は、12月にベポタスチンのジェネリックを薬価収載しない。
- AGは12月に薬価収載するが、収載後、一定期間は発売しない。
最後に
仮処分命令の申立ての対象特許である特許4704362と特許4562229は、2017年12月19日に満了しますので、12月20日以降に東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬が原料を生産/輸入し、製剤を製造/輸入し、販促活動しても、その行為自体には特許権の効力は及びません。
そのため、私は、「AGと東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬のジェネリックは12月に同時に薬価収載され、東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬がジェネリックの発売をAGより遅らせる」というのが、“円満解決”の内容では?と推測していました。
また、東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬が12月の薬価収載を見送ると、AGに市場を奪われる上に、他のジェネリックメーカーに追いつかれる虞もありますし、薬価改定の影響も受けるため、あまりメリットがないように思えます。
何故、東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬がこのような“円満解決”に応じたのか、とても気になるところです。
他方、ベポタスチンで分析したように、医政経発第0605001号に基づけば、本来、AG以外のベポタスチンのジェネリックは2018年2月まで承認されないはずです。そのため、他のジェネリック企業とこ公平という観点からは、東和薬品、シオノケミカルおよび大興製薬のベポタスチンのジェネリックが12月に薬価収載されなかったことは、妥当であると言えると思います。
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