アナストロゾール(アリミデックス錠,アストラゼネカ)/タモキシフェン(ノルバデックス錠)/ビカルタミド(カソデックス錠/OD錠,アストラゼネカ)
第一三共エスファは、2018年2月に申請しているカソデックス錠/OD錠、ノルバデックス錠とアリミデックス錠のAGの製造販売承認申請を行っていることを発表しています。
そのため、アナストロゾール錠1mg「DSEP」、タモキシフェン錠10mg「DSEP」、タモキシフェン錠20mg「DSEP」、ビカルタミドOD錠80mg「DSEP」、ビカルタミド錠80mg「DSEP」が承認されると思われます。
それにしても第一三共エスファのAGラインナップ拡大(11成分30製品)には目を見張るものがあり、今後も拡大していくと思われます。
ゲフィチニブ(イレッサ錠,アストラゼネカ)
既に第一三共エスファのAGが承認されていますが、再審査期間が2010年7月4日に終了し、物質特許(特許3040486)が2018年8月24日に満了したため、通常のジェネリックは2018年2月申請~2019年2月承認と考えられます。
シロドシン(ユリーフ錠/OD錠,キッセイ薬品/第一三共)
既に第一三共エスファのAGが承認されていますが、再審査期間が2014年1月22日に終了し、物質特許(特許2944402)が2018年12月1日に満了したため、通常のジェネリックは2018年2月申請~2019年2月承認と考えられます。
また先発品には普通錠とOD剤の二種類の剤形があり、ジェネリックが両剤形を揃えてくるのか興味があるところです。
ブロナンセリン(ロナセン錠/散,大日本住友製薬)
物質特許(特許2021373)が2015年3月1日に満了し、再審査期間が2018年1月24日に終了したため、2018年2月申請~2019年2月承認と考えられます。
大日本住友製薬はDSファーマバイオメディカルを通じて、AGを展開していますので、AGの承認を取得するのか興味があるところです。
また先発品には錠剤と散剤の二種類の剤形があり、ジェネリックが両剤形を揃えてくるのか興味があるところです。
モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物(ナゾネックス点鼻液,MSD/杏林製薬)
ナゾネックス点鼻液を保護する用途/製剤に係る特許3480736(満了日:2019年10月31日)に対する無効審判(審判番号:2015-800166,審判請求人:東興薬品工業)が、特許庁で審理されていましたが、2018年12月に審決が下りています。
そのため、ジェネリックが2019年2月に承認される可能性があります。
また、無効審判を請求した東興薬品工業は、自社で医薬品を販売するのではなく、自社で開発・製造した医薬品を他社へ供給することをビジネスモデルとしています。実際にどのジェネリック企業が承認を取得するのか気になるところです。
エベロリムス(サーティカン錠/アフィニトール錠,ノバルティス ファーマ)
サーティカン錠の物質特許(特許3117462)が2018年9月24日に満了し、再審査期間が2017年1月25日に終了したため、2018年2月申請~2019年2月承認の可能性があります。免疫抑制剤を取り扱うジェネリックがどの程度あるのか興味があるところです。
アフィニトール錠の物質特許(特許3117462)は2018年9月24日に既に満了し、腎細胞癌・膵神経内分泌腫瘍・乳癌の再審査期間が2018年1月19日に終了したため、2018年2月申請~2019年2月承認の可能性があります。ただし、各効能・効果に係る用途特許が登録されています。特に、エベロリムスとエキセメスタントとの併用に係る特許(特許第5775022号)に対し、日本化薬が無効審判(2017-800110)を請求し、特許庁は特許を維持するとの審決を2019年1月にしています。
アフィニトール錠の添付文書によると、手術不能又は再発乳癌におけるエキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について、有効性及び安全性は確立しておらず、また、エキセメスタントの併用による臨床試験で有効性が確認されていることから、パテントリンケージが働き、2019年2月承認は難しいかもしれません。
テリパラチド酢酸塩(テリボン皮下注用,旭化成ファーマ)
再審査期間が2017年9月25日に終了したため、2018年2月申請~2019年2月承認の可能性があります。
ただし、テリパラチド酢酸塩については、6件の無効審判が継続しています。各特許の内容を見てみると、いずれもテリパラチド酢酸塩が投与され得る患者を特定した発明であることが伺えます。
一方、通知「薬食審査発第0605014号」によれば、
“先発医薬品の一部の効能・効果、用法・用量(以下、「効能・効果等」という。) に特許が存在し、その他の効能・効果等を標ぼうする医薬品の製造が可能である場合については、後発医薬品を承認できることとすること”
とされています。
裏を返せば、効能・効果、用法・用量以外の部分にしか特許が存在しない場合、ジェネリック医薬品は承認される可能性があるわけです。例えば、ペメトレキセドナトリウム水和物(アリムタ注射用,日本イーライリリー)のケースでは、“使用上の注意”に記載されているビタミンB12と葉酸との併用に係る特許が存在していましたが、ジェネリック医薬品が承認されました(特許が存在しているため、薬価収載はされていない)。
すなわち、効能・効果と用法・用量に明記されていない様な場合、たとえ特許が存在していても、パテントリンケージが働かず、ジェネリックが承認される可能性があるわけです。
これをテリパラチド酢酸塩に当てはめてみると、各特許の内容はテリボン皮下注用の効能・効果、用法・用量に記載されているわけでありません。
したがって、テリパラチド酢酸塩のジェネリックが2019年2月に承認される可能性があります。もしテリパラチド酢酸塩のジェネリックが2019年2月承認された場合、6月に薬価収載されるのか、また、薬価収載された場合、係争に発展するのかが気になるところです。
アプレピタント(イメンドカプセル,小野薬品)
物質特許(特許3245424)が年金未納により2016年10月に消滅し、再審査期間が2017年10月15日に終了したため、2018年2月申請~2019年2月承認と考えられます。
年金未納による抹消からの時間を考慮すると、物質特許が抹消されたことに気がつき、開発を早めたとしても2018年2月申請に間に合わせるのは困難であった可能性があり、2019年2月承認からどれだけずれ込むかは不透明ではありますが、早ければ、2019年2発承認の可能性もあり得るかもしれません。
アバカビル硫酸塩・ラミブジン(エプジコム配合錠,ヴィーブヘルスケア/GSK)
アバカビル硫酸塩・ラミブジンの再審査期間は、2010年12月23日に終了し、アバカビルとラミブジンの配合に係る特許(特許2954357)は2019年10月8日まで存続しています。
特許2954357に対し、共和薬品工業が無効審判を請求していましたが、2018年の7月に取下げています。
共和薬品工業が無効審判を取下げた理由としては、次の四つが考えられます。①特許権者からライセンスを受けることを条件に、無効審判の取下げに合意した、②無効審判により特許を無効にできないと判断した、③ジェネリックの開発に失敗した/開発に遅延が生じたため、このまま無効審判を続行する意味がなくなった、④日本での事業戦略が変わり、HIV領域に注力しないことになり、このまま無効審判を続行する意味がなくなった。
①であれば、共和薬品工業が2019年2月に承認を取得する可能性が考えられます。
エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(ツルバダ配合錠,日本たばこ/鳥居薬品/ GILEAD)
エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の再審査期間は、2015年3月22日に終了し、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の物質特許は、2018年7月23日に満了し、エムトリシタビンとテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の配合に係る特許(特許4996241)は、2024年1月13日まで存続しています。
特許4996241に対し、共和薬品工業が無効審判を請求していましたが、2018年の11月に取下げています。
共和薬品工業が無効審判を取下げた理由としては、次の四つが考えられます。①特許権者からライセンスを受けることを条件に、無効審判の取下げに合意した、②無効審判により特許を無効にできないと判断した、③ジェネリックの開発に失敗した/開発に遅延が生じたため、このまま無効審判を続行する意味がなくなった、④日本での事業戦略が変わり、HIV領域に注力しないことになり、このまま無効審判を続行する意味がなくなった。
①であれば、共和薬品工業が2019年2月に承認を取得する可能性が考えられます。
トラボプロスト・チモロールマレイン酸(デュオトラバ配合点眼液,アルコン/ノバルティス)
トラボプロスト・チモロールマレインの再審査期間は、2016年4月15日に終了し、用途特許が2018年8月12日に満了するため、早ければ、2017年8月申請~2018年8月承認でしたが、AG以外の2018年8月承認のジェネリックはありませんでした。
既にトラボプロスト単剤のジェネリックが発売されており、また、一般社団法人日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会が「トラチモ」という商標を取得していることから、早ければ、2019年2月承認もあり得ると考えられます。先発企業がアルコン/ノンバルティスであることから、AGの承認があるのかも気になるところです。
2018年8月にAGと思われるトラチモ配合点眼液「サンド」が承認されていました。
2018年8月にAGと思われるトラチモ配合点眼液「サンド」が承認されていました。
ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物(シムビコートタービュヘイラー,アストラゼネカ/アステラス)
気管支喘息について、再審査期間が既に終了し、ブデソニドとホルモテロールの配合に係る特許(特許3342484)が2017年12月7日に満了したため、早ければ2017年2月申請~2018年2月承認の可能性がありましたが、実際には2018年2月も8月承認もありませんでした。
しかし、既に日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会から、配合剤の統一ブランド名「ブデホル」が発表されていますので、ジェネリックを開発している企業がある可能は高いと考えられます。
通常の経口剤と異なり、製剤/デバイス/同等性評価の観点から、開発が難しく、どれだけずれ込むかは不透明ではありますが、早ければ、2019年2発承認の可能性もあり得ると考えられます。
リセドロン酸ナトリウム水和物(アクトネル錠75mg/ベネット錠75mg,EAファーマ・エーザイ/武田薬品工業)
リセドロン酸の物質特許と用途特許(特許3480736 /特許1988571)は既に満了しています。物質特許と用途特許以外にも、特許5910698、特許5761274および特許5377852(満了日:2024年9月25日)が存在します。
早ければ、2016年12月24日の再審査終了後の2017年2月申請~2018年2月承認となると可能性がありましたが、実際には2018年2月も8月承認もありませでした。
おそらく、医薬品医療機器総合機構・厚生労働省は、東和薬品が請求した無効審判の審理が行われている状況では、製造販売承認を下ろさないという判断(パテントリンケージ)をしたものと推測されます。
現在も無効審判は審理中であり、2月までに審決が下りる見込みは低いため、リセドロン酸75mgのジェネリックが承認される可能性は低いと考えられます。
サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル(アドエア,GSK)
配合特許(特許3042867)が2015年9月7日に満了し、再審査期間が2017年4月17日に終了したため、2017年8月申請~2018年8月承認の可能性がありましたが、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会から配合剤の統一ブランド名が発表されていないため、2019年2月承認の可能性は極めて低いと考えられます。
ニフェカラント塩酸塩・ネビラピン・パズフロキサシンメシル酸塩・ブスルファン・モキシフロキサシン塩酸塩・モダフィニル・ルリコナゾール
これらの成分は、既に再審査期間が終了し、基本特許も満了しているため、いつジェネリックが出ていてもおかしくない状況にありますが、これまでジェネリックは承認されていません。MF登録はされていますので、中には2019年2月に承認されるものもあるかもしれません。
2月15日に6月収載に向けたジェネリック医薬品が一斉に承認されますので、承認後、予想の答えあわせをしてみたいと思います。
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