エゼチミブの製品情報
有効成分
一般名:エゼチミブ
効能・効果
高コレステロール血症,家族性高コレステロール血症,ホモ接合体性シトステロール血症
剤形・規格
ゼチーア®錠10mg(2007年6月薬価収載)
製造販売元
製造販売元/MSD株式会社
販売元/バイエル薬品株式会社
ゼチーアの基本特許
オーソライズド・ジェネリック(AG)
再審査期間が2015年4月17日に終了し、物質特許(特許2803908)が2019年9月14日に満了するため、通常のジェネリックは2019年2月申請~2020年2月承認と考えられます(但し、用途特許があるため、シトステロール血症の効能はなし)。
一方、第一三共エスファのエゼチミブ錠10mg「DSEP」は、物質特許(特許2803908)が満了する前に承認されていますので、オーソライズド・ジェネリック(AG)と考えられます。また、シトステロール血症の効能も承認されている可能性があります。
ニュースによると、2018年度のゼチーア®の売上はバイエルで約327億円です。MSDの売上が不明ですが、500億円近い市場規模があり、2020年6月に参入するジェネリックに対抗するために先行してAGの承認を取得したと思われます。それにしても第一三共エスファのAGへの注力には目を見張るものがあります。
延長登録無効審判
物質特許(特許2803908)は、ゼチーア®が承認されたことを理由に5年間の存続期間の延長が登録(特願2007-700057)されています。この延長登録に対し、2018年8月にテバが延長登録無効審判(審判番号:2018-800106)を請求していました。テバとしては、延長登録を無効とすることで、今年の8月にジェネリックの承認を取得することを狙っていたと考えられます。
しかし、今年の7月に「延長登録は有効」との審決がされてしまったため、8月にテバのジェネリックが承認されることはありませんでした。
延長登録無効審判が請求されるのはとても珍しいという印象があります。延長登録出願に関する資料は、営業秘密が含まれるという理由で閲覧できる内容が大幅に制限されていますので、延長登録無効審判のロジックを構築するのはとても骨の折れる作業だったのではないでしょうか。
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