2019年10月17日木曜日

2019年8月15日付医薬品承認情報~ファスジル~

 今回は、2019年8月15日付で承認されたファスジルについて取り上げてみたいと思います。



ファスジル塩酸塩の製品情報


有効成分
一般名:ファスジル塩酸塩水和物
効能・効果
くも膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善
剤形・規格
エリル®点滴静注液30mg(1995年8月薬価収載(エリル注として))
製造販売元
製造販売元/旭化成ファーマ株式会社



ファスジル塩酸塩の基本特許


基本特許

効能・効果
再審査期間
くも膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善2001/06/29

 日本で登録された物質特許は見当たらず、再審査期間が2001年6月29日に終了したため、いつでもジェネリックを出せる状況ですが、今回、初めての承認となりました。
 ファスジル塩酸塩点滴静注液30mg「旭化成」は、テリボン®のAGの承認も取得している旭化成シンメッドが承認を取得していますので、AGと考えられます。

 旭化成の決算説明資料によると、2018年度主要製品の国内売上は、テリボン®:約283億円、リコモジュリン®:約118億、フリバス®:約33億、ブレディニン®:約30億、エルシトニン®:約23億、リクラスト®:約14億、ケブザラ®:約13億で、エリル®の記載はありません。そのため、エリル®の売上は、13億未満と思われます。
 先発医薬品の売上が13億程度だと、ジェネリックにとっては、それほど魅力的な市場とは思えませんし、今まで、ジェネリックが参入していないのも頷けます。何故、旭化成がこのタイミングでAGの承認を取得したのでしょうか?近々、ジェネリックが参入してくることを予見したのか、それとも他の理由があるのか、とても気になるところです。

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