2017年8月31日木曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~モメタゾン点鼻液 前編~

 今回はキョーリンリメディオが承認を取得したモメタゾン点鼻液について分析します。

モメタゾン点鼻液の先発品情報

有効成分
一般名:モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物
分子式:C27H30Cl2O6・H2O
効能・効果
アレルギー性鼻炎
剤形・規格
ナゾネックス®点鼻液50μg56噴霧用(2008年9月薬価収載)
ナゾネックス®点鼻液50μg112噴霧用(2009年9月薬価収載)
製造販売元
MSD(杏林製薬とのコ・プロモーション)

モメタゾン点鼻液の基本特許



特許1988571の内容

❝【請求項1】9α,21-ジクロロ‐16α‐メチル‐1,4-プレグナジエン‐11β,17α‐ジオール‐3,20-ジオン‐17-(2′‐フロエート)一水和物。❞
モメタゾンフランカルボン酸エステル一水和物に係る特許です。再審査期間終了(2016年7月15日)の約2ヶ月後に満了しているため、ナゾネックス®点鼻液のジェネリック医薬品に対する影響はありません。

特許3480736の内容

❝【請求項1】
モメタゾンフロエートの水性懸濁液を含有する薬剤であって、1日1回鼻腔内に投与される、アレルギー性または季節性アレルギー性鼻炎の治療のための薬剤。❞
ナゾネックス®点鼻液のジェネリック医薬品としての“モメタゾンモメタゾンフランカルボン酸エステル水性承懸濁液を含む点鼻液”は、特許3480736に係る発明の技術的範囲に含まれます。

キョーリンリメディオのモメタゾン点鼻液はAG?


 8月15日付で承認されたキョーリンリメディオのモメタゾン点鼻液50μg「杏林」56・112噴霧用は、オーソライズド・ジェネリック(AG)であるといわれています。
❝12月収載なら新薬加算消失「確定」
キョーリンが「ナゾネックスAG」先行承認、計画は明示せず (RISFAX) (2017.08.21)❞
特許348073の満了は2019年10月ですが、AGは特許権者から許諾を得ていますので、再審査期間が2016年7月15日に終了後の2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。

 次回も引き続きモメタゾン点鼻液について分析します。

2017年8月30日水曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~トラセミド~

 今回は寿製薬が承認を取得したトラセミド(ブランド名:ルプラック®錠 – 大正富山医薬品/田辺三菱製薬)について分析します。

トラセミドの先発品情報

有効成分
一般名:トラセミド
効能・効果
心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫
剤形・規格
ルプラック®錠4mg(1999年8月薬価収載)
ルプラック®錠8mg(1999年8月薬価収載)
製造販売元
田辺三菱製薬(発売 大正富山医薬品)


トラセミドの基本特許








 トラセミドの基本特許(物質特許)を検索しましたが、日本ではそれらしいものが見つかりませんでした。GB1477664Aにトラセミドに該当する化合物がクレームされていたので、日本の対応特許を引いてみたところ、日本では製法特許として登録されていました(特許1275160)。1976年の物質特許制度導入前の出願だったため、製法特許として権利化されたと思われます。

寿製薬のトラセミドはAG?


 今回、承認されたのは寿製薬のトラセミド錠4mg・8mg「KO」のみでした。しかし、以下の理由から、トラセミド錠4mg・8mg「KO」はルプラック®錠4mg・8mgのオーソライズド・ジェネリック(AG)に該当しないと考えられます。


生物学的同等性試験(BE試験)


 AGの場合、先発品のデータを活用し、BE試験を行わないケースが多いですが、トラセミド錠4mg・8mg「KO」の添付文書を確認したところ、BE試験が行われていました。

なぜ今、寿製薬1社なのか?


 再審査期間と基本特許からは、早ければ2006年12月にはトラセミドに参入できると考えられます。何か参入の妨げになるような特許があったのか検索しましたが、これといったものは見つかりませんでした。
 また、大正製薬の決算情報では、ルプラック®錠の売上は20億程度で減少傾向にあります。残念ながら、あえて今になって寿製薬が参入した理由は分析できませんでした。

 次回はモメタゾン点鼻液について分析します。

2017年8月29日火曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~テモゾロミド~

 今回は日本化薬が承認を取得したテモゾロミドについて分析します。

テモゾロミドの先発品情報

有効成分
一般名:テモゾロミド
効能・効果
悪性神経膠腫
剤形・規格
テモダール®カプセル20mg(2006年9月薬価収載)
テモダール®カプセル100(2006年9月薬価収載)
製造販売元
MSD

テモゾロミドの基本特許


 テモゾロミドの基本特許は以下の通り。





 

 
 テモゾロミドの物質特許(特許1723491)は既に満了しでおり、再審査期間が2016年7月15日に終了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。

日本化薬のテモゾロミドはオーソライズド・ジェネリック?


 今回、承認されたのは日本化薬のテモゾロミド錠20mg・100mg「NK」のみでした。しかし、以下の理由から、テモゾロミド錠20mg・100mg「NK」はテモダール®カプセル20mg・100mgのオーソライズド・ジェネリック(AG)に該当しないと考えられます。

1.製剤設計

テモダール®カプセル20mg・100mgがカプセル剤であるのに対し、テモゾロミド錠20mg・100mg「NK」は錠剤であり、剤形が異なります。もちろん配合ざれている添加剤も異なります。

2.生物学的同等性試験(BE試験)

AGの場合、先発品のデータを活用し、BE試験を行わないケースが多いですが、テモゾロミド錠20mg・100mg「NK」の添付文書を確認したところ、カプセル剤を標準製剤としてBE試験が行われていました。

3.日本化薬の発表

 日本化薬の発表によれば、通常のジェネリックのようです。


なぜ日本化薬1社なのか?


 承認されたのが日本化薬1社だった要因として、以下のものが考えられます。

1.BE試験のハードル

通常、BE試験は健康成人男性で行われますが、抗がん剤のように副作用の恐れがある薬ではそうはいきません。テモゾロミドでは、悪性神経膠腫患者でBE試験が行われています。


2.承認条件のハードル


 承認条件として、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間、全症例を対象に使用成績調査を実施することが求められています。

3.製造所のハードル


 薬理活性の高い化合物の製造所は、封じ込めや洗浄等、通常よりも特殊な設備が必要。


4.売上


 Webで検索してみましたが、テモダール®カプセルの細かい金額は分かりませんでした。ただ、100億円を超える製品ではないようです。上記のようなハードルがある割に売上が小さいと思われます。

 次回はトラセミドについて分析します。

2017年8月28日月曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~アダパレン~

 今回は8社・9品目が承認されたアダパレンについて分析します。

アダパレンの先発品情報

有効成分
一般名:アダパレン
効能・効果
尋常性ざ瘡
剤形・規格
ディフェリン®ゲル0.1%(2008年9月薬価収載)
製造販売元
ガルデルマ(販売 マルホ)

アダパレンの基本特許


 アダパレンの基本特許は以下の通り。

 アダパレン単剤の再審査期間が2016年7月15日に終了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。

アダパレン/過酸化ベンゾイルのジェネリックはいつ承認されるのか?


 アダパレン/過酸化ベンゾイル(ブランド名:エピデュオゲル)は、再審査期間が2022年12月25日に終了するため、ジェネリック医薬品は2023年2月申請~2024年2月承認と見込まれます。


各社の競合関係


 現在公開されている情報に基づき、承認された8社の競合関係を分析した結果は以下の通りでした。



共創未来ファーマとポーラファルマについては、現時点で製品情報が公開されていなかったため、競合関係を分析することはできませんでした。しかし、共創未来ファーマとポーラファルマは他社との共同開発・導入の傾向が強いことから、いずれかのグループに属すると推測されます(※製品情報の公開後、更新予定)。

※更新

共創未来ファーマとポーラファルマの製品情報が入手できたので、各社の提携関係を更新します。
8社9製品が承認されましたが、ニプロ以外の会社の製品は同じものと思われます。ニプロのアダパレン クリーム・ゲルとニプロ以外の会社のアダパレン ゲルの3種類の製品しか市場に存在しないようです。


 次回はテモゾロミドについて分析します。

2017年8月26日土曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~ファムシクロビル~

 今回は10社・12品目が承認されたファムシクロビルについて分析します。

ファムシクロビルの先発品情報

有効成分
一般名:ファムシクロビル
効能・効果
単純疱疹、帯状疱疹
剤形・規格
ファムビル®錠250m(2008年6月薬価収載)
製造販売元
旭化成ファーマ(販売 マルホ、提携 ノバルティスファーマ)

ファムシクロビルの基本特許


 ファムシクロビルの基本特許は以下の通り。
 
 「帯状疱疹」の再審査期間が2016年4月15日に終了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。「単純疱疹」の再審査期間は2017/2/20に終了したため、現時点のジェネリック医薬品の効能・効果は、「帯状疱疹」のみとなっていますが、各社が速やかに「単純疱疹」の効能追加の申請を行った場合、モンテルカストと同様に12月の薬価基準収載までに「単純疱疹」効能追加が承認される可能性もあると思われます。

※更新(2017/11/30)

 沢井製薬から「単純疱疹」の効能・効果 / 用法・用量の承認を取得したとプレスリリースがされました。PMDAのHPで確認したところ、沢井製薬のほかにも日医工等の添付文書にも「単純疱疹」の効能・効果 / 用法・用量が追加されていましたので、12月の薬価基準収載にな先発品と同じ効能・効果 / 用法・用量となります。

各社の競合関係


 現在公開されている情報に基づき、承認された10社の競合関係を分析した結果は以下の通りでした。
共創未来ファーマについては、現時点で製品情報が公開されていなかったため、競合関係を分析することはできませんでした。しかし、共創未来ファーマは他社との共同開発・導入の傾向が強いことから、いずれかのグループに属すると推測されます(※製品情報の公開後、更新予定)。

※更新

共創未来ファーマの製品情報が入手できたので、各社の提携関係を更新します。
共創未来ファーマは高田製薬と共同開発していると考えられます。
10社が承認を取得していますが、単独の3社+3グループという市場構成です。


 
次回はアダパレンについて分析します。

2017年8月25日金曜日

8月15日付医薬品承認情報~イルベサルタン 後編~

 今回は“イルベサルタンの参入企業は多い?少ない?”について分析します。

イルベサルタンの参入企業数は多い?少ない?


 イルベサルタンの承認取得企業数と過去のARBの承認取得企業数を比較したところ、以下のような結果となりました。













他のARBと比較して、承認取得企業数が少ないことがわかります。

 
また、イルベサルタンと同日に承認されたファムシクロビルと比較した場合、イルベサルタンの市場規模がファムシクロビルの倍にもかかわらず、AGを除いた承認取得企業数はどちらも10社です。
 したがって、イルベサルタンは市場規模に対し、参入企業数が少ないと言えます。

イルベサルタンの参入企業数が少ない理由は? 


 次にイルベサルタンの参入企業が少なかった理由を検証してみたいと思います。
 まず、次の2つの仮説を立てました。

 仮説1:市場規模が小さい
 仮説2:製剤開発の技術的難易度が高い


仮説1


 イルベサルタン単剤の先発品には大日本住友製薬の販売するアバプロ錠と塩野義製薬の販売するイルベタン錠の二種類があり、Web上で検索した限り、両製品の合計で100億~200億程度の市場規模があると思われます。これに対し、ロサルタン、バルサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンの市場規模は、ロサルタンが400億程度バルサルタンが900億程度テルミサルタンが700億程度オルメサルタンが800億程度であったので、イルベサルタン市場規模は他のARBのそれと比較してとても小さい(半分以下)です。
 したがって、イルベサルタンの市場規模が小さいことが、参入企業が少なかった要因の一つであると考えられます。
 しかし、100億を超えるイルベサルタンは、ジェネリック医薬品メーカーには十分に魅力的な製品であったはずです。AGを除いた参入企業が10社というのは、少なすぎますし、更に市場規模の小さいファムシクロビルと参入企業数が同じであることは、仮説1だけでは説明がつきません。他に何らかの要因があると考えられます。

仮説2


 製剤開発の技術的難易度を特許の視点から評価してみます。
 特許出願がされるということは、解決するべき課題が存在するということですので、出願件数が多いほど解決すべき課題が多い、すなわち技術的難易度が高いと推測されます。そこで、[発明の名称+要約+クレーム=成分名]×[テーマコード=4C076(医薬品製剤)]×[出願日=承認年-25年]という検索式でヒットした特許出願の件数により、製剤開発の技術的難易度を評価してみました。























 イルベサルタンの出願件数は、他と比較して顕著に多いということはなく、仮説2でも参入企業の少なさを説明できません。

他の仮説はないか?


 他に仮説を立てられないか検討するため、公開されている各社の製品情報を比較してみたところ、興味深い特徴が見つかりました。
 各社の行った生物学的同等性試験(BE試験)を確認したところ、第一三共エスファと共創未来ファーマ以外の製品は、100mg錠と200mg錠の両方でBE試験が行われていました。先発品に3規格ある場合、1規格でBE試験を行い、その他の2規格はBE試験を行わないことがあります。例えば、テルミサルタンでは、第一三共エスファのAGを除く22社中、7社が80mgのみで、15社が40mgと80mgとでBE試験を行っています。
そうすると、「イルベサルタンでは、200mgのみでBE試験を行うことが何らかの理由で認められず、200mgでのみBE試験を行っていなかった会社は追加の試験を実施しなければならず、申請・承認が遅れた。その結果、参入企業数が少なくなった」という仮説3が立てられます。
今のところ、仮説3を検証する方法は思い当たりませんが、2018年に追加でイルベサルタンのジェネリック医薬品が承認されれば、仮説3の検証につながるかもしれません。

 次回はファムシクロビルについて分析します。

2017年8月24日木曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~イルベサルタン 前編~

 今回は11社・36品目が承認されたイルベサルタンについて分析します。

イルベサルタンの先発品情報

有効成分
一般名:イルベサルタン
効能・効果
高血圧症
剤形・規格
アバプロ®錠50mg(2008年6月薬価収載)
アバプロ®錠100mg(2008年6月薬価収載)
アバプロ®錠200mg(2013年5月薬価収載)
イルベタン®錠50m(2008年6月薬価収載)
イルベタン®錠100mg(2008年6月薬価収載)
イルベタン®錠200mg(2013年5月薬価収載)
製造販売元
塩野義製薬(提携 SANOFI)/大日本住友製薬(提携 SANOFI)

イルベサルタンの基本特許

 イルベサルタンの基本特許は以下の通り。







 イルベサルタン単剤の再審査期間が2016年4月15日に終了したため、2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。

AGとジェネリック医薬品が同時になった理由は?

 今回、イルベサルタンのオーソライズド・ジェネリック(AG)(DSファーマバイオメディカル株式会社/DSファーマプロモ株式会社)とAG以外のジェネリック医薬品が同時に承認されています。たとえAGであったとしても再審査期間終了後でないとジェネリック医薬品として製造販売承認申請できないため、イルベサルタンAGは他のジェネリックメーカーと同じタイミングで承認されました。

イルベサルタン/アムロジピン配合剤のジェネリックはいつ承認されるのか?

 イルベサルタン/アムロジピン配合錠(先発名:アイミクス®配合錠)は、再審査期間が2016年9月27日に終了したため、ジェネリック医薬品は2017年2月申請~2018年2月承認と見込まれます。

イルベサルタン/トリクロルメチアジド配合剤のジェネリックはいつ承認されるのか?

 イルベサルタン/トリクロルメチアジド(先発名:イルトラ®配合錠)は、再審査期間が2019年6月27日まであり、かつイルベサルタンとトリクロルメチアジドの組合せに関する配合特許(特許4974255)が2032年5月16日まで存続するため、この配合特許が無効にならない限り、2032年8月までジェネリック医薬品が承認されないと見込まれます。
但し、カンデサルタン/アムロジピン配合錠(ブランド名:ユニシア配合錠)、カンデサルタン/ヒドロクロロチアジド配合錠(ブランド名:エカード配合錠)やオルメサルタン/アゼルニジピン配合錠(ブランド名:レザルタス配合錠)のように、製品を保護する配合特許にジェネリック医薬品メーカーが無効審判を請求するケースもあります。配合特許(特許4974255)が無効審判により無効化された場合、最速で再審査終了後の2019年8月申請~2020年8月承認というケースも想定されます。


各社の競合関係

 現在公開されている情報に基づき、承認された11社の競合関係を分析した結果は以下の通りでした。

 第一三共エスファは、現時点で製品情報が公開されていなかったため、競合関係を分析することはできませんでした。しかし、第一三共エスファは他社との共同開発・導入の傾向が強いことから、いずれかのグループに属すると推測されます(※製品情報の公開後、更新予定)。
 イルベサルタンの物質特許の特許権者がSANOFIであるため、日医工がAGではないジェネリック医薬品の承認を取得したことは予想外でした。また、アメリカでイルベサルタンを展開している武田テバ、サンド、マイラン製薬(ファイザー)、ルピン(共和薬品)が承認を取得していない理由も気になります。


2017年8月22日火曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~概要~

 12月の薬価追補収載に向け、厚生労働省は306品目・38成分の医薬品を承認しました(※ジェネリック医薬品のほか、オキシコンチンTR錠、クレメジン速崩錠、トレリーフOD錠などの先発医薬品の剤形追加・規格追加を含む)。そこで、815日付で承認されたジェネリック医薬品の動向を分析してみようと思います。


参入企業数Top 5

 承認を取得した会社数Top 5の成分は以下の通り。20172月にAGが承認されているロスバスタチンとオルメサルタンにジェネリック医薬品メーカー各社が集中しています。また、イルベサルタンは、過去のARBの中では承認社数がもっとも少ないという結果でした。













初承認成分

初めて承認された成分は以下9成分で、複数のAGが承認された模様です(詳細については、今後、分析予定)。
















企業別承認数Top 10

 承認取得成数が多かった企業Top 10は以下の通り。
東和薬品の9成分・27品目が最多で、次いで沢井製薬の8成分・17品目といった結果でしたが、初承認9成分中、両社が承認を所得したのは2成分であり、初承認以外の成分が承認数に寄与していると言えます。

 また、承認を取得した会社数が多かったロスバスタチン、オルメサルタン及びイルベサルタンの3成分の承認を揃えてきたのは左の9社でした。
専業大手3社(東和薬品・沢井製薬・日医工)は手堅く3成分を揃えてきたという印象ですが、新薬系のエルメッドエーザイや日本ケミファ、卸系の共創未来ファーマも存在感を示しています。これに対して、当然、海外ではこれら3成分を開発・展開していると思われる外資大手テバ・サンド・マイランがいずれも3成分を揃えていない点が特徴的でした。

次回は、初めて承認された成分イルベサルタンについて、分析する予定です。