2017年9月7日木曜日

8月15日付医薬品承認情報 ~レボドパ/カルビドパ/エンタカポン~

 今回はサンドが承認を取得したエカレボ配合錠(レボドパ/カルビドパ/エンタカポン)について分析します。


レボドパ/カルビドパ/エンタカポンの先発品情報


有効成分
一般名:レボドパ/カルビドパ水和物/エンタカポン
効能・効果
パーキンソン病〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合〕
剤形・規格
スタレボ配合錠L50/スタレボ配合錠L100(2014年11月薬価収載)
製造販売元
ノバルティスファーマ


レボドパ/カルビドパ/エンタカポンの基本特許


 レボドパ/カルビドパ/エンタカポンの基本特許は以下の通り。 
 
 レボドパ/カルビドパ/エンタカポンの基本特許(エンタカポンの物質特許)は、2012年に満了し、再審査期間も2015年1月に終了していました。早ければ、2015年2月申請~2016年2月承認~6月薬価収載というタイムラインも可能と思われますが、2017年8月に初承認にとなっています。


サンドのエカレボ配合錠はAG?


 今回、承認されたのはサンドのエカレボ配合錠のみでした。サンドとノバルティスからプレスリリース等は出されていませんが、サンドはノバルティスのグループ会社ですからオーソライズド・ジェネリック(AG)であると考えられます。


なぜ今、AGなのか?


 再審査期間と基本特許からは、早ければ2016年2月にレボドパ/カルビドパ/エンタカポンのAGの承認を取得できたと考えられます。残念ながら、なぜサンドがこの8月にAGの承認を取得したかを分析することはできませんでした
考えられる理由としては、
  1. サンドとノバルティスがAGに積極的に参入するという企業方針になった、
  2. 何らかの方法でジェネリックが開発されているという動きを察知し(例えば、「エカレボ」という商標が一般社団法人日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会から出願された、ジェネリックメーカーが生物学的同等性試験に使用する先発品が購入された等)、対抗してAGの承認と取得した、
などが考えられるかと思います。


 「8月15日付医薬品承認情報 ~モメタゾン点鼻液 後編~」でも分析しましたが、過去、新薬創出加算の適用を失ってまでAGを投入した製品はありませんでした。そのため、サンドが2017年12月にAGを薬価収載することはないのではないでしょうか。

AGとAG以外のジェネリックの今後の動向に注目したいと思います。

次回はトラボプロスト点眼液について分析します。



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